感無量(その3~カウル塗装は気合と忍耐だった)
内容が濃くてなかなか前に進まないレストア話の3回目です。
友人からの依頼で『TZ125』を約1年に渡ってレストア。
FRPでカウルの補強が先ずは先決だと気づきました。
塗装した後、ユラユラと撓んで塗装にヒビが入るという悪夢だけはどうしても避けたい。
なので結構しっかりと補強をしました。
現役ライダーの車輛のカウルよりもかなり重くなりましたが、友人的にもオッケーでしたので、遠慮なくやらせてもらいました。
そしてタンクの穴をふさぐこと。
これは結構迷った末の決断でした。
そもそもダクトの穴はあっても通すライン、経路が見いだせないのです。
(以前の所有者はどうされていたんでしょうか…)
補強をしっかりとし、また破損個所も修理、タンクの穴も加工とパテ埋めを施し、
基本の形を形成しました。
そしていよいよ下地にプライマーを塗りますが、
これをしっかりとしないと後の塗装が簡単に剥がれてしまいます。
プライマーが終わると次はサフェーサーの塗布と作業は続きます。
もう既に少しずつ寒い時期に入っていましたので乾燥にも時間がかかりました。
余談ですが、本業で塗装をやられている方はそれなりの設備があるのでオールシーズンいけますが、
私の場合、冬場は凍結やら、雪、低温、結露などで作業ができなくなる時期が必ず出て来るのです。
ですので、そうなる前に、ある程度キリの良いところまでやっておく必要がありました。
どこまで進めるか、この頃は次に出会う問題も、まだまだ未知の状態でした。
下塗りが終わり、表面をペーパーでスベスベに整えると、
いよいよデザインの下書き本番です。
実際に車両に装着して見てイメージしたラインを描き、テーピングして見ます。
これがまた微妙なんです (´Д`)
左右が対象に見える部分も実は微妙に非対称でして…(;´Д`)
カウルに至っては、全く対照ではなくて… (;´Д`)
何度も何度も測ったのになかなか的確なラインを描くことは難しい。
それでも諦めずにやっていると、何とか着地点が見えてくる訳で、
やはり忍耐力は欠かせません。
因みに、今回使用する塗料は『浜松第一塗料・バイクペイント』さんにて調達。
メーカー別、年代別の純正塗料の品揃えは最たるものです。
思ったライン、デザインを描けたら、いよいよ本格的に塗装に入ります。
一色、一色、マスキングをしながらなんですが、これがまた一筋縄ではいきません (;´Д`)
その時の気温などでマスキングテープを外すタイミングが違いまして、
遅すぎるとテープと共に塗装が見事に剥がれてしまいます。
塗装面をペーパー掛けで綺麗にしてから次の塗装に向けてマスキングをしてさらに塗装をして…
ところがマスキングを剥がす時、前にした塗装が剥がれる訳です。
これ、かなりショッキングです (ノД`)・゜・。
で、またやり直し。
やり直す時、前の塗装と段ができてしまってはいけないので慎重に直していきます。
今回、ストロボラインには細いラインも付随していますので本当に細かな作業です。
完璧に出来上がるまで、いったい何回やり直したことでしょう(ノД`)・゜・。
時には落ち込んでその日の塗装は止め…なんて日もありました。
けれど次の日になるとまた気力が復活します。
それはひとえに友人の夢を実現したいから。
私を信頼してこの車両を託してくれたこと、
そしてそんな親友を感動させたいからなんですね。
ああ、感動のエピソードみたいになってしまいました(笑)
まだまだ先は長いのです。
友人から、かなりの作業期間の余裕をもらっていたので、
通常の業務の傍ら、この作業をしていましたが、塗装作業ができる季節は
段々と終わりに近づいています。
年を越すと厳しい寒さがやってきます。
年内には塗装を終わらせたいと切に思っておりました。
↑こんな風になると涙がちょちょぎれます (;´Д`)
何度も失敗を繰りかえしながら、
しかし、諦めなければそれは失敗じゃない!と自分に言い聞かせて
何とか塗装作業の期間を乗り切りました。
いやぁ、何でも奥が深い!塗装も本当に奥が深いです!!